日日是好日

多発性硬化症とお付き合いしていく、猫好きワーカーの記録

退院から1週間:悶々と悩む日々。

入院中も、退院後の外来でも落ち着いていたのですが。
この日になってから、色々と悶々と思いを巡らせるようになりました。
以下は、当時のメモ書きです。
 
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多発性硬化症だと決まった場合、治療をどうするのかしら。
神経内科の先生は”内服”と言っていたので、恐らくジレニアかイムセラの服用になるのかな。
1カプセルの薬価が8,148円という、びっくりするお値段のお薬。
※1)2015年7月の時点では、内服薬はジレニア/イムセラしかありませんでした。
※2)薬価は当時のものです。現在は変更されています。
 
従来の薬に比べたら効果ははるかに高いみたいだけれど、何せ発売が2011年11月と市販されてからまだ歴史の浅い薬。
当然、長期服用した場合のデータはまだ少ないわけで。
国内で服用した2,000のうち、亡くなった方が2名いる。
さて、どうしたものか。
 
治療を始めるタイミングにも迷う。
今の状態だと、確定診断ができる=再発になるわけで。
…右目もこんな状態になった日には、それは困るわけで。
脊髄に炎症でも出ていれば、話は別なのかもしれないけど(その場合は視神経脊髄炎になるのかな?)。
 
再発(と確定診断)を待つか。
再発を防ぐべく、早目に治療を始めるか。
 
1カプセル8,000円オーバー…保険適用でも2,000円の薬なんて無理だし、治療するなら難病医療費の申請が必要だよね。でも、確定診断が出る前に申請ってできるんだろうか。
 
そもそも、MSじゃない可能性だってゼロじゃない。
そのMSじゃない可能性がどのぐらいなのか、その可能性が増す見込みってどんなもんなのか。
考え出すとキリがない。
 
あと、免疫の病気だって聞くけれど、それなら免疫をあげた方がいいのかしら。下手に刺激しない方がいいのかしら。
ああ、わからないことだらけだ!
 
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また、この数日後にはこんなメモ書きを残しています。
 
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ネットで見てしまった「脳萎縮が進行していく様子」を思い出して
ちょっぴり鬱々となってみたり。
 
5年、10年・・・と経過する度に、ちょっとずつ黒い空間が増えていくMRIの画像が
どうしても頭から離れなくて。
やっぱり、確定診断に関わらず早くから治療を始めた方がいいのだろう。けれど。
 
「疑い」の段階で特定疾患の申請って出せるのかな。通るのかな。
それって、迷惑じゃないかな。
歩けないとか導尿必要とか、そんな段階じゃないのに。
もっと大変な状態にある人が、使えるものなのではなかろうか。
「税金の無駄遣い」なんて言葉が頭を掠めるわけで。
(いや、私もちゃんと納税してるんだけどね)
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いま読み返しても、悶々とオロオロとしているのがよくわかります。
周りに相談できる人がいるわけでもなく、そもそも確定診断されていない自分が相談してどうするのだろうか?とモヤモヤしつつ過ごしていました。
 
ただ、この頃から『多発性硬化症』やそれにまつわる情報を更に調べるようになりました。
なるべく、公的な立場から情報発信されているものを見るようにして、自分なりにかみ砕いて理解できるように、心がけるようにしていました。
 

退院から5日目:退院後、初の外来

退院から気付けば5日。

この日は退院後、初の外来受診でした。眼科と神経内科のダブル受診です。

 

まずは眼科で視野検査と診察を受けます。

視野の方は中央部分にまだ見えづらい部分が残っているものの、回復過程としては上々のようです。

瞳孔の反応も(完全ではないけど)戻ってきているとのこと。

視力も矯正で1.2まで回復している、と主治医も嬉しそうでした。

 
そして初の神経内科へ。
入院期間中の診察で、鞄を忘れてお帰りになってしまったあの先生です。
 
開口一番「しばらく聞かないと思ってたら、退院されてたんですねー」と。
そこ、共有されてないんだ!とびっくりしつつ、退院した週明けから仕事に復帰していること、視力は矯正1.2まで回復していることを伝えます。
 
ふんふんと話を聞きながら何か紙を取り出した先生、さらさらと絵を描き始めます。
目と脳と脊髄の絵を描きながら、今の状態を淡々と説明する先生。
 
神経のお話。中枢神経と末梢神経。
今回は眼の神経に症状が出たけれど、MRIで3箇所の病変があるので多発性硬化症の疑いが高い。
ただ、初発なので確定ではない。再発しないと確定診断はできないけれど、でも可能性は高いと思う、と。
 
多発性硬化症の場合、薬で再発を抑える治療法になる。
ただ、薬を使っている間は妊娠を避けないとならない。
 
治療をいつから始めるかは医者によって様々で、”多発性硬化症疑い”の時点から始めるお医者さまもいれば、再発した段階で治療スタートにするお医者さまもいる。
専門の先生のなかでも意見は様々だ、と。
 
実は、視神経炎であるとわかってからネットで色々と情報を調べていました。
なので、多発性硬化症がどんな病気で、どういった治療法があるのか、何に気を付けなければいけないのか、といった情報は何となく知っていました。
そんな状況だったので、神経内科のお医者さまから聞いたお話も、ほぼ想定内でしたしショックを受けることはありませんでした。
あ、やっぱり。というのが当時の正直な気持ちです。
 
とはいえ、一縷の望み(?)をかけて質問してみました。
MRIで映った病変が、他の疾患の症状だという可能性はありませんか?
 
先生は”おっ”という顔になり、表情そのままで「いい質問ですね!」と仰いました。
続けて「病変の場所からして、ほぼ間違いないと思う」とのお答え。
 
さて、どうしたものか…と思いつつも、今のところどうしようもないので。
ひとまずは経過観察ということでMRIと診察の予約を取って終了です。

入院9日目。退院日!

入院最後の朝は、雨模様でした。

 

採血を済ませた後、最後の病院ごはんをいただきます。

採血の結果が出る前に、こちらも入院最後の主治医の診察。

昨日から特に変わったところもなく、主治医としては少し残念そうでした。

 

ステロイドパルスを始めるときには、点滴が終わった後にステロイドの内服があるかもというお話でしたが、今回は内服なしになりました。

今後、もし「多発性硬化症」という診断がついた場合は別の薬を内服することになります、とのこと。

とりあえずはストレスを溜めないように、あまり詰め込みすぎないように、とアドバイスをいただき、診察終了です。

 

荷物も全てまとめて、着替えも済ませて、お昼を過ぎたころにようやく血液検査の結果をいただきました。

炎症反応の値(白血球の数値)が出ているものの、原因を探るレベルではないそうです。

とはいえ「あまり人混みには行かないようにしてくださいね」「休みの間でも、異常があったら代表電話→眼科外来に電話ください」。

視神経炎の原因がはっきりしていない以上、眼科でできることは、視力の回復状態をチェックすることぐらいなのでしょう。

 

お礼を言って、主治医とも(数日間の)お別れです。…また外来でお世話になるので(笑)

主治医は今年からこの病院に来たお医者さまだそうで、説明の拙さや、わたわたしてる様子や、患者としては正直不安になることも多かったです。

でも、いつもいつも一生懸命向き合ってくださってるのは感じていましたし、頑張ってくださっているのも伝わってきたので、今となってはこの先生で良かったなーと思います。

入院8日目:パルス2クール終了。退院予定が決まる。

入院8日目、パルス2クール目に突入してから3日目を迎える日。

この日は何故か夜中に目が覚めました。

すっかり明け方かと思って時計を見ると、まだ深夜2時…うそでしょー。

持ち込んでいたカモミールティーを飲んだり、ゴロゴロしたり、何とか眠ろうと努力はしたものの、結局起床時間まで熟睡はできませんでした。

 

この日の診察では、反射反応も見え方もかなり回復していると言われました。

この調子なら大丈夫でしょう、ということで。

この日の午後に視野検査→翌日朝に採血、結果が問題なければ退院!というスケジュールが急遽組まれました。

『入院も急なら退院も急である』

この時、携帯のメモに残していた言葉です。文字通り、怒涛の入院生活…。

 

午後の視野検査では前回の検査から大きな変化はなかったものの、経過順調なのでこのまま翌日に退院、という運びになりました。

退院手続きのお話も聞き、まとめられる荷物をまとめ、就寝です。

入院6日目〜7日目:パルス2クール目へ

≪6日目≫

この日からいよいよ、パルス2クール目に突入します。

 

朝食前の診察では、反射反応が良くなってきている、と言われました。

朝食を済ませて、いよいよ点滴開始です。

 

ステロイドパルスの副作用で寝付きが悪くなる(ギンギラに覚醒しちゃうみたいです)ことを避けるために、点滴はいつも午前中からスタートしていました。

1クール終了時点で点滴ルートを抜いていたので、この日は再び腕に針を刺すことに。

…なのですが、担当してくださった方があまり慣れていらっしゃらなかったようで、見ているこちらが相当ハラハラしました。

針を刺しただけで左腕が血塗れになったり、1回目のようにスムーズにはいかなかったなぁ…

 

ちなみに、パルスが始まってからお手洗いの回数が増えました。

最初は「何事?!」と不安に感じていたのですが、どうやら点滴で体内の水分が増えているため、だったようです。

確かに、お薬と一緒に生理食塩水も入っているわけですし、自覚はないものの水をがぶ飲みしているのと同じですし。

 

パルスの副作用?なのか、入院中はずっと微熱が続いていました。

本人には全く自覚がなかったのですが、検温の度に「あら、微熱ね〜」と言われていました。

 

≪7日目≫

2クール目になると、点滴されている側もだいぶ慣れてきます。

とはいえ当初は1週間ぐらいの入院、と言われていたので、その日を迎えてもまだ入院か…と少し凹みました。

 

左目の炎症はまだ残っているものの、経過は順調。

この日はサッカーの代表戦があったので、夕食後はいそいそとTVに向かいます。

試合を見ることができる幸せを噛み締めていたら、大部屋の向こう側から

「あー!」という悲鳴や「いけー!」という声が聞こえてきます。

同じ部屋には、救急搬送された高齢の女性が入院していたのですが、どうやらサッカーがお好きだった様子。

具合が悪いのだと勘違いした同室の方が「…大丈夫ですか…?」とそっと声をかける、という微笑ましいひと幕も見られ、7日目の夜は平和に過ぎていきました。

 

入院5日目:パルス1クール目の効果は・・・?

前日に早く寝たお陰なのか、この日は5時に目が覚めました。

脇の下、首筋、脇腹などが筋肉痛のように痛みます。最初は「外出したから筋肉痛かな?」と思っていましたが、筋肉痛にしては妙な場所が痛むので気になっていました。

 

この日になると、視野の明るさはかなり戻ってきたように感じられました。

大学病院での初診時と同じぐらい。

まだ見えない部分は残っていますし、眼球運動痛も少しありますが、日常生活なら何とかなりそうだな、と思えるぐらいには回復しています。

  

眼科診察前の視力検査では、視力検査のマーク(Cみたいなアレですね)が認識できるようになっていました。入院時には「どこにマークがあるんですか!」という有様でしたので、この出来事にはちょっと感激しました。

この日、視力は矯正で0.4まで回復。視野も少し戻っています。

 

このまま治療終了で、あとは自然回復になるのでは?と考えていたのですが、結果的にはステロイドパルスをもう1クール行うことになりました。

完全に回復しているわけではないし、ここまで回復してきているのなら1クール追加で勢いをつけたい、というのが教授先生の意見です。

とはいえ、パルスで何か副作用が出ているのなら無理に2クール目をやらない方が良いとのことで血液検査を。

血液検査の結果は問題なかったのですが、身体に痛みが出ていることが気になるので、もう少し検討してからパルス2クール目を決めましょう、ということに。

 

ちなみに、眼科の教授先生が言っていた『検討』というのは神経内科の先生に診ていただくことだったようで・・・

病棟でのんびりコーヒーを飲んでいたところに「神経内科の診察あるからね」と看護師さんに言われ、慌てて病室に戻ったり・・・なんてこともありました。

 

その後ふらりとやってきた先生は、しばらくあちこち触ったり叩いたりしていましたが

「これは副作用ではなくて、リンパじゃないかな?」

と仰ってお帰りになりました。来た時に持っていた鞄を置いて。

 

少し経ってから「鞄、ありませんかね?」と再びふらりと姿を見せた先生を見て

"…大丈夫かな?"と少し不安に思った反面、"この先生は面白そうだな"とも思いました。

この時に診ていただいた先生が、現在の主治医のドクターです。

 

この時点で「多発性硬化症の疑いあり」とは言われていました。

が、パルスを始めてしまった後で検査をするわけにもいかず、ひとまず治療を進めて様子をみましょう、という方向になっています。

今回の視神経炎が多発性硬化症の症状なのか、単純な視神経炎なのかが判断できるのには、少し時間がかかるのだな、と思った記憶があります。

 

2クール目の可能性=入院が延びる可能性が出てきたので、職場にはこの日に一度連絡を入れていました。

実家にも、簡単に経過報告を入れています。

 

「夕方のカンファレンスで今後の方針を決めます」ということで、パルス2クール目については明日の朝まで持ち越しとなりました。

2018年現在のこと

新年になってからすっかり日が経ってしまいましたが

あけましておめでとうございます。

2018年、みなさまにとっても穏やかな年となりますよう。

 

さて、今まではMSの発症から入院までの経過を書いてきたのですが、今日は現在の状況をひとつ、公開してみようかなと思います。

 

入院記録も、現在に至るまでの経過も、まだ書き終わっていない状態ではあるのですが『軽症で日々何事もなく過ごせているよ!』という情報を、このあたりであえて挟んでおこうかなと。

 

この病気の情報をネットで探すと、どうしても調子の悪い時のお話だったり再発した時のお話だったり、というものが目立ちやすいというか、中心になりがちかなと思っています。

経過も予後もそれぞれ全く違う病気ですので、脚に後遺症が残って車椅子の生活を送っている方もいれば、私のように「ひょっとして誤診じゃね?」と思いながら日々暮らしている人もいるわけです。

ですので、軽症で何事もなく過ごせているよ!という情報を、このあたりであえて挟んでおこうかなと。あくまでも1個人の情報ですので、こういうケースもあるんだ!ぐらいに思って読んでいただけると嬉しいです。

 

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