日日是好日

多発性硬化症とお付き合いしていく、猫好きワーカーの記録

MS(multiple sclerosis:多発性硬化症)発症の経過(その3)

6日目、土曜日。

紹介状を持って大学病院に行く日。朝イチで向かう予定をしていたのに、前夜なかなか寝付けなかったせいか寝過ごして出遅れる、というグダグダのスタートに。

ネットで調べた時から『球後視神経炎』だろうと予想はしていたし、その場合は『多発性硬化症』という病気に移行する可能性があることも知ってはいたけれど、やはり医師からその可能性を暗に告げられたというのは少々ショックだったのかもしれない。

この日には左目の見えづらいエリアはかなり広がっていて、左目で鏡を見ると自分の顔がのっぺらぼうになるという有様。「何かがある」ことは感知できても、細かい部分は全くわからなかったので、文字を読むなんてもってのほか。

 

大学病院で改めて視力検査を行ったのだけれど、その時点で左目が全く見えないことを突き付けられて、さすがに軽く動揺した。

検査員からは「目の端っこで見るようにしてくださいね」と言われるのだけれど、これがまた難しい。見ようとするとどうしても目が動いてしまうので、かなり苦労した。

視力検査と診察の結果は、やはり『球後視神経炎』の可能性が高いという判断で、原因疾患の有無を追加検査で調べることに。

以下、前回に引き続き当日のメモより抜粋。

 

=======これより転記

治療としてはステロイド剤の点滴になるので、入院が必要、とのこと。
現時点でベッドは確保していますので(大丈夫)と。
 
予想はしていたけど、やはり「入院」の言葉を直に聞くとガツンとくるものがある…
この時点でベッドが確保、ということは、それだけ大事なのか…?
いやいや、でも全く見えないわけではないし、もっと酷い症例は沢山あるはず。
 
週明けには給与計算をしなくては。諸々の手配と対応も月曜日にやる予定になってる。
ああ、考課の振り返りも目標設定も作ってないし、業者さんとの打合せもある。
…休めない。1日だけならともかく、1週間以上もなんて、無理だ。
 
どうしても月曜日にやらなければならない仕事があることを伝える。
上司に連絡はしてみるが、休日なので対応できるかわからないことも添えて。
…あまり良い顔はされなかった。当たり前だ。
一応調整はしてみるけれど、仕事の調整もしてみてください、とのこと。
 
検査に回る前に、血圧と脈拍を測定される。
採血。6本ぐらいのアンプルにがっつりと抜かれる。
MRI。うるさいと聞いていたけれど、音は予想ほと酷くはなかった。ヘッドホンからオルゴールが流れてくるあたり、流石大学病院。
戻って眼底撮影。散瞳剤は使わなかったので、何か別の撮影だったのかもしれない。
 
昨日に続いて視野検査、再び。
今回は機械ではなく、スタッフの方が手書きで記録するタイプだった。
「中央のオレンジ色のランプを見ててね」的なことを言われたのだけど、左目だとほぼ認識できないことに気付く。見えてないんだ、と思い知らされた感じ。
 
検査がひと通り終わったところで、再び診察へ。
眼球、網膜、異常なし。
視野はやはり左目の右下方が欠けているとのこと。
そしてMRI。見る限り、視神経に異常らしきものは見えないが、症状が出ているので球後視神経炎で間違いないと思います、とのこと。
先生も、診断して良いものか迷っているようだった。
 
画像診断では、脳の白質?の部分に高反応が見られるとのこと。
なんのこっちゃ、って話なんですが、写真を見せてもらうと確かに3つほど矢印がつけられている。
これが何なのか、場合によっては更に検査をすることになるかもしれない、と。
 
とりあえず、神経眼科専門の先生が月曜にくるので、そこで詳細を…ということで今日の入院はなくなることに。
=======ここまで転記
 
症状が残ってしまう可能性、多発性硬化症の可能性を考えると仕事どころじゃないでしょ!と今なら思うのだけれど、当時は「仕事どうしよう、、」と半泣きだった。
月曜日に入院!という話が出た時点で上司にメールを打っていたものの、結局は月曜日まで様子を見ることになったので上司には平謝りする羽目になった。
この展開を全く予想していなかったわけではないけれど、どこかで楽観していたこともあって相当動揺していたのだと思う。

MS(multiple sclerosis:多発性硬化症)発症の経過(その2)

木曜日。異常を感じてから4日目。

この日は正直なところ、特に変化を感じることもなく過ごしていた。

翌日に検査をする、と決まっていたため気持ちが落ち着いていただけかもしれないけれど。

痛みの感じ方や見え方(視界の横一線にグレーのラインが見える)など、冷静に観察していたな、と振り返って思う。

 

金曜日、5日目。

この日は元々、母親と出かける予定で有給休暇を取っていた日。

国立新美術館で開催されていた「マグリット展」に行く約束をしていた。老婆とのデートである。

学生時代に渋谷のBunkamuraで開催されていたものに行って以来、ということで心の底から楽しみにしていた。

(ちなみに一番楽しみにしていたのは「光の帝国」がまた見られる!ということだったのだけれど)

しかし。この日になると視界がかなり悪化していて、ぼやけて見づらいエリアが相当広がっていて。

左目で見る視界は、ぼやけていない部分もなんだかザラついていて、擦りガラス越しに見ているよう。明るさもかなり落ちていたので、両目を開けていても実質右目だけで見ているような感覚だった。

そんな具合で、せっかく楽しみにしていたマグリットの絵画もイマイチよく見えず…必死で近付いて右目を凝らす、ということを繰り返していたのをよく覚えている。

 

母親と別れ、夕方から眼科へ。眼科の検査では「眼底の撮影」と「視野検査」を。

視野検査の結果、左目の右下がすっぽり抜け落ちているという結果に。水曜日に感じていた”視野が欠けてる気がする”という感覚は、どうやら正しかったらしい。

問診では、眼球の動きと眼球チェックがあり、現時点での見え方、痛みについてかなり細かく医師に伝えた。

甲状腺の病気に罹ったことはあるか?」という質問もあったなぁ。

以下、診察直後にスマホにメモした内容を、そのまま。医師とのやり取りや、その時に感じたことがそのまま残っているので、少し長くなりますがご容赦ください。

 

=======ここから転記

しばしの沈黙の後、先生曰く「球後視神経炎だと思うんだよね」とのこと。
予想通り(´ Д ` )
(眼科医)「できるだけ早く大学病院に行ってほしい」
(眼科医)「ただ、今の時点で薬を出すかどうか悩むんだよね…」
(眼科医)「いくつだっけ?」
 
「…まだお若いから、私としては早く治療を始めたい。でも、薬を飲んでしまって、病院に行ったときに症状が治まってしまっていると原因がわからない」
 
ネットで調べた限りでは、私より視力低下の度合いが酷かったであろう方たちは気付いてから数日でガンガン視力が落ちてた。
見え方がおかしいことに気付いてから、今日で3日目。
初日よりは明らかに進んでいるけど、昨日と比べたらそれほど変わりはない。
なら、何が原因なのかわかった方がいい。
気付かない部分の副鼻腔炎なのか、他に原因があるのか。
 
(私)「見えにくくなったのが水曜日で、今日で3日目なんですが。見えない感じが進んだようには感じていなくて…」
(眼科医)「(カーテンを開けてスタッフさんに)▲▲大の眼科って、明日はやってる?」
(スタッフさん)「午前中ならやってます」
 
明日の午前中、行ける?と聞かれる。
もちろん!
先生、明日の午前中で予約を入れて、とスタッフさんに指示。
 
スタッフさんのお話では、FAXで依頼をかければ15分で回答が来る、とのことだったのだけど、17時を過ぎてしまっていて受付電話終了orz
 
とにかく紹介状を書くので、申し訳ないけど明日直接行ってください、と言われる。
=======転記ここまで
 
この時に眼科の医師が自院で治療せずに「大学病院へ」と言ってくれたこと、付近にそこそこ有名な大学病院があったこと、この2つがとても良かったのだと思う。

MS(multiple sclerosis:多発性硬化症)発症の経過(その1)

多発性硬化症』という耳慣れない病名に出会ったのは、今から2年半ほど前。

『視神経炎』という病気を発症してから数日後のこと。

 

そもそものはじまりは”目が痛い”という症状で。

眼球の表面が痛むのではなくて、”眼球が内側から引っ張られているような”痛み。

やたらと目が霞むので「疲れ目かな?」と思い、眼球のストレッチをしようと目を閉じて目玉をぐるぐると回したところ、痛む。

「おや?」と思ったのが1日目。

 

2日目。目の霞みは落ち着いたものの、痛みは変わらず。

視線を動かそうとすると痛む。そういえば、痛いのは左目だけだな、と気付いたのは、この日だった。

「うーん、一晩寝れば治ると思ってたのになぁ。。」なんて呑気に思っていた火曜日。

 

3日目。出勤しようと家を出たところで、視界が何かおかしいことに気付く。

当時は裸眼で出勤(!)して会社でコンタクトを装着する、という生活をしていたのだけれど。

裸眼の状態では右目の方が視力が悪いはずなのに、何故か左目の視野だけぼんやりと霞んで見える。

そして更に、両目で見ると左目で見ている部分だけ視野が欠けているような・・・

気のせいかも、と思い直して出勤したものの、コンタクトを装着しても見え方、変わらず。

寧ろ、コンタクトで視力が矯正されたおかげで左目の異常が際立つ羽目に。さすがに不安になり、仕事中にこっそりネットで調べるという暴挙をかました、わたし。

調べたキーワードは【眼球 動かす 痛い】。ヒットしたページをひとつずつ確認していくうちに、どうやら『視神経炎』というものになっているらしいと気付く。

思い余って、昼休みを利用して会社の近くにある眼科へ。

この時、コンタクトで矯正しているにもかかわらず左目の視力は0.3まで落ちていた。

ただ、表側から診察してみる限りは傷もないし炎症も見当たらない。詳細は検査しなければ、ということで2日後に検査の予約を取り、この日はそのまま仕事へ戻ったのでした。

書き手のこと。

*80年代生まれ。周囲の話を聞く限り、中身はだいぶ伴っていないようです。

平日は会社員として働いています。8年目になるので後輩の指導なども担当しなければならないのですが、どうも苦手です。

 

*基本的に、インドア派の単独行動 です。

集団行動が苦手なわけではないですし、それなりに適応はしますが自分の気持ちの赴くままにフラフラと動くのが好き。これは書き手が一人っ子であるが故なのかもしれません。

とあるサッカークラブのサポーターでもあるので、自宅近郊で試合があるときには出かけていきます。でもそれ以外はほとんど自宅または自宅周辺で過ごしています。地元大好き。

 

*猫好き。猫と暮らせる部屋に転居して1年、ようやく念願の同居を始めました。

猫の話も書いていくかもしれません。

 

*「多発性硬化症」という持病があります。国指定の難病ですが、本人は至って健康体です。

 

持病があると判った時は、色々と調べました。

専門のお医者様が運営しているWebサイトや製薬メーカーが運営している患者向け情報、個人ブログなど。

その中で感じたのは、マイナスの情報が多いということ。

もちろん国指定の難病なので、楽観的な情報ばかりにはならないと思います。

でも、軽症で日々元気に過ごしている方もいるはず。

症状も経過も人それぞれ、と言われるものだからこそ、元気に過ごしているよ!という情報が増えても良いのではないかな、と。

情報発信、なんて大袈裟でおこがましいことを言うつもりは全くありませんが、何かの折にもしお役に立つことがあればいいな、とは思っています。

はじめましての、ご挨拶。

はじめまして。

そしてご覧いただきありがとうございます。

自分の生活記録としてブログを始めよう、と考えはじめたのが2年ほど前のことになります。

いざ始めてみようと思い立ったものの、飽きっぽい自分に続けられるのかな?とうじうじと悩み続け、気付けば2年。

細々とでも続けていければ良いのだ!と開き直って本日に至ります。

 

このブログでは、こんなことを書いていこうと考えています。

* 日々の生活のこと

* 読んだ本のこと

* 身体まわりのこと

 

続けていくうちに、内容は変わるかもしれませんが。

 

"自分の生活記録として"が大前提なので、更新もまちまちになると思いますし

読みものとしてはあまり適切ではないかもしれません。

ただ、できるかぎり丁寧に、書いていきたいなと考えています。

どうぞ、よろしく。